super-full-moon & winter snow

月夜まわりだから雪は降らんづら

1970年代に北米の雪崩屋Sue Ferguson女史がThe Avalanche Reviewという月刊情報誌を発刊した。

その頃、何人かの雪氷物理屋が、満月のときに雪崩災害が多いのでは、と記事や論文を世に問うていた。

宇宙空間で太陽の引力がどう変わるのか。 当時の私の理解能力を超えていた。

 

太田あみの「新月」論文

地元白馬高校を出て、新潟大学和泉 薫教授のもとで雪氷学

(雪崩学)を専攻し、修士を取得した才媛である。

新潟県庁の雪崩専門職員として、糸魚川・妙高など県の砂防事業所を転々として、現在は本庁で大活躍している。(現姓・吉田)

 

新潟県の豪雪地・関山や長野県の内陸・白馬村アメダスにおいては、新月とその前2夜は晴れて、新潟。長野県両県内の雪崩災害が多いという厳然たる事実があらわれた。

新潟県の上越・中越、長野県の北部・中部に大昔から伝わる伝承は、雪崩災害に気をつけろという意味まで含んでいたとは、驚きでしかない。月夜まわりは、警察も消防もパトロールも、雪が降らないから休んでられる、とは真逆の、この地域では防災・警戒態勢に入れ! という深い伝承でもあった。

 

 

弱層とか上載荷重とかを気にする前に、月暦カレンダーを手に宇宙様のご機嫌をお伺いしたほうが賢明なのである。まるで満潮を利用して浜に産卵する海亀のように、有り難く大自然に従うべし。いや宇宙の産物たる私たちは、そうするほかに道はない。

 

ただ研究者の常として、説明できる理論を創りたいが、すぐに解けそうにない難問であり、大事に宝物として考え続けたい。

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