wind-slab ava japan & europe

G.Seligman: Snow structure and skifields, 1936 Wind-Slab Avalanche の静止エリア Davos

 Seligman: Wind-Slab Avalanche 

英国の山岳スキークラブ会長セリーグマンはアルプスの峰峰を歩き、 
1930年前後の雪・雪崩の科学をレビューした。そして

Wind-Slab Avalancheが誕生した。

J.Schild: Wind-Slabの引張破断 

スイス連邦雪・雪崩研究所のSchild(シルトゥ)は、登山家であり、
たたき上げの雪崩教育者であり、 スイス全土雪崩現場の調査マンである。
研究所が主催する全欧雪崩講習会の中心講師でもあった。
(1971/73年、同僚として私は彼のやり方を学んだ。)

1952年頃から下図のように Wind-Slab Avalancheを説明している。

Typical Error 

真実:斜面に対しスパッと垂直に割れる。

4月9日:白馬八方パトロール、森山建吾さんのコメント:

スパッと綺麗に切れない破断面もありますよ。
湿気を含んだ面発生雪崩は初動が鈍いので、
破断面が引きちぎられるようにボコボコになる時があります。

今シーズン2回は破断面が汚い雪崩が八方ではあったかと思います。

液状雪崩(スラッシュフロー、雪泥流、雪代など)として、
今年中に本ブログで扱うつもりです。

 

昭和初期レジェンドの板雪崩昭和初期の専門家は
遠く谷筋から双眼鏡で雪崩クラックを見上げて推測か

登山家にして雪崩研究者の荘田幹夫
1965年に雪崩新分類

北大山岳部で活躍し、国鉄技術研究所で雪崩を研究してきた荘田幹夫博士は、

点発生/面発生、乾雪/湿雪、流れ型/煙型。

それぞれに写真を添えて日本雪氷学会の雪崩分類を一新した。

その流れを踏襲し、1998年には微修正がなされた。

ブロック状デブリが雪崩の仕組みを示唆


1968年に『雪氷』に発表した(山村・若林・鳴海)
霜ザラメ斜面の全層雪崩である。
尾根から沢を見下ろした(北大天塩演習林)
冒頭のSeligmanと同様に雪崩の中途で静止した部分に、
かなり前から縦横の割れが入っており、その割れが自然に、
あるいは雪崩のショックでつながったのか。
土壌の乾燥ひび割れに似た積雪収縮が、
菱餅に似た堅い角デブリを生んだのではないだろうか。
道内各地で、この種の雪崩破断面を追っかけたものである。
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